2020.4.6
おはようございます。
永太建工の鈴木です。
本日のテーマは「コスト、住みやすさ、広さ、優先順位は?」です。
例えば、日当たりの良し悪しに関わらず、明るくて住み心地に優れた家にするために吹抜けをつくったりするように、現実的に住みやすい家にするために、家には掛けるべきコストというものが存在します。
また、耐震や断熱といった隠れて見えなくなってしまうところにも、惜しまずしっかりコストを掛けておくべきです。
このように、家には確実に掛けておくべきコストというものが存在するわけですが、それに伴って家全体のコストがどんどん上がっていってしまったのでは意味がないので、それと同時に、削ることが出来るところは、削る工夫もしていかなくてはいけません。
とはいえ、使用する材料のグレードを下げたり、そもそも使う材料を変えたりするのでは、思っているよりもコストが落ちず、満足度ばかりが下がってしまうかもしれないので、そんな小手先の対応ではなく、もっと根本的なところからしっかり見つめ直していく必要があります。
家のコストを抑えるために、根本的に必要なことは、家の面積を小さくするということです。
そして、そのためには、「廊下」「部屋数」「部屋の広さ」
この3つの無駄を省くようにすることが大切です。
✔︎廊下の無駄を省く
どんな家にしたいのか?ということをお聞かせいただいたとき、「廊下が絶対に欲しいです」と言った方は、今まで1人もいなかったわけですが、もちろんあなたもそうだと思います。
廊下をつくれば、家の中に温度差が生まれやすくなるし、余分な光熱費がかかりやすくもなります。
また、もちろん廊下にも部屋と同じようにコストがかかっているので、廊下が増えれば増えるほど家の価格は高くなってしまいます。
ですから、廊下を限りなくゼロにすることが、家のコストカットには必要不可欠になってきます。
✔︎部屋数の無駄を省く
家を2階建てありきで考え、個別の部屋は2階だという固定概念に縛られてしまうと、ほとんど使うことがないであろう客間を1階につくってしまいます。
1階の部屋がLDKだけじゃあ使い勝手が悪いし、もしもの時に困ると考えてしまいますからね。
もちろん、貯蓄が得意で自己資金がたくさんあったり、親からの援助が期待出来るなど、予算的に余裕がある方ならば、それはそれで全然構わないのですが、そうでないのであれば、使用頻度が低くなるであろう部屋は、個別でつくらないことも、家のコストカットには欠かせない要素となります。
6帖の部屋を1室カット出来れば、120万円〜150万円ものコストカットになります。
ですから、子供部屋を1階につくり、子供部屋と客間を兼用で使うようにするなど、柔軟な考えを持つようにしていただければと思います。
✔︎部屋の広さの無駄を省く
「寝室は10帖は欲しいです!」とおっしゃる方がいますが、そこに何を置きますか?とお聞きすると、「ダブルベッドしか置きません」という回答が返ってきます。
10帖の部屋は4.42m×3.51mの空間ですが、1.4m×2mのダブルベッドを置いた場合、かなり無駄な余白がたくさん出来てしまいます。
多くの方にとって、寝室はただ寝るだけの部屋ではないでしょうか?
そして、そんな部屋のために、余分なコストを掛けてやる必要はあるのでしょうか?
ダブルベッドしか部屋に置かないのであれば、2.6m×2.6mの4.5帖の部屋や、そこまで縮めなくても6帖もあれば充分なのではないでしょうか?
もし、その余白となる4帖を縮めることが出来れば、それだけで70〜100万円ものコストをカットすることが出来ます。
いかがですか?
家のコストをアップさせずに、本当に住みやすくてカッコイイ家にするためには、現実的に考えると、これら3つの空間に生じるであろう無駄を、最大限にカットしていくことが必要不可欠となります。
コストをアップさせて、広さと住みやすさの両方を妥協しない家にするか?
広さを妥協して、コストと住みやすさを妥協しない家にするか?
住みやすさを妥協して、コストと広さに妥協しない家にするか?(これはありえないですが・・・)
さて、あなたならどれを選びますか?
その1:見えない所への投資をケチらない!
光熱費を削減することが出来る家にするために、絶対に欠かせない断熱性能です。
この性能を数値で表したモノがUA 値ですが、一般的な地域では0.87という数値が出ていれば長期優良住宅の基準はクリアしていることになり、また0.6という数値よりも低い数値となれば、ゼロエネルギー住宅(ZEH)の基準をも満たしていることになります。
そしてこれからの家づくりでは、ゼロエネルギー住宅の基準である0.6をクリアする断熱性能を有した住まいにすることが望ましいとされています。
ですから、まずはこのゼロエネルギー住宅の性能基準を満たした住まいを(最低でも長期優良住宅の性能基準を満たした住まいを)建てることを意識していただければと思います。
決して、初期コストを削減するために、断熱材をケチるようなことはしないこと、また、見えなくなる所にこそしっかりお金を掛けることを意識していただければと思います。
見えなくなる所は、将来リフォームしようと思うと大掛かりな工事となり、初期工事の何倍もお金がかかることになるので本当に大切です。
その2:可能な限り家をコンパクトにする!
システ、優れた断熱性能を有していることを前提として、もう1つ意識していただきたいのは、家を無駄に広くしない!ということです。
単純に面積が広くなれば、それに伴って体積も広くなります。ですから、可能な限り家をコンパクトにすることも意識していただければと思います。
✔︎必要なところは確保しつつ面積をカットする秘訣
そのためには、無駄であると考えられるところをカットすることが必要不可欠な要素となってきます。
例えば、ただ通るだけの廊下・・
廊下をつくればドアを閉めてしまうようになるので、家の中に温度差が生じやすくなります。そしてその結果、トイレ、洗面、お風呂といった水回りが寒くなってしまい健康上も良くないし、それぞれの部屋を個別で冷暖房することになるので、光熱費より嵩みやすくなってしまいます。
また、無駄に部屋を広くつくることも。面積をアップさせる要因となります。
例えば、寝室を10帖つくりたい・・とおっしゃる方がいらっしゃいますが、もし寝室に置くベッドがダブルベッドであれば、6帖もあればベッドをおいても、まだ十分なスペースを確保することが出来ます。
ということは、4帖は、無駄なスペースということになります。
それをカットすることができれば、初期コストとなる建築費を60万円〜80万円カットすることが出来るし、ランニングコストとなる光熱費も、いくらかカット出来ることになります。
廊下も同じです。
廊下を全てカットすることが出来、それが4帖だとしたら同じように60万円〜80万円もの初期コストがカット出来るし、何十年と暮らして行く今後の生活で考えれば、イニシャルコストとなる光熱費は、部屋の広さをカットする以上にカットすることが出来ることになります。
なぜなら、廊下をなくした間取りをつくることができれば、冷暖房の空気を家全体に循環させやすくなり、冷暖房のロスを最大限にカットすることが出来るようになるからです。
ということで、これからの家づくりでは、見えない所にこそしっかりお金を掛けつつ、無駄を削り可能な限りコンパクトにすること、この2つを意識するようにしていただければと思います。
これが、家づくりにかかるイニシャルコストとランニングコストを最大限に抑え、家に対する負担を減らしてより豊かで楽しいライフスタイルを実現出来るようになる最大の秘訣です!
それでは、、、