2020.4.10
おはようございます。
永太建工の鈴木です。
本日のテーマは「住みにくい家をつくりあげてしまう家づくりの間違った常識」についてです。
住みやすい家にしたい・・・と願う気持ちとは裏腹に、実際、家を建てて住んでみると、思い描いていたのと違うかった・・・と感じてしまう方が数多くいらっしゃいます。
そしてその結果、「やっぱり家は3回建てないと満足出来ないな」という結論に至ってしまいます。
確かに、家づくりにも予算があるので、100%満足のいく家を建てることは難しいかもしれませんが、家づくりをする前に、知らず知らずの間に受け入れてしまっている間違った常識があるということさえ知ることが出来れば、確実にその不満を大きく解消することが出来ます。
例えば、これは当たり前のことですが、誰もが家に中は明るくしたいと思うことでしょう。
しかしながら、残念な事実ですが、せっかく新築したにもかかわらず、朝からライトをつけないといけない家が数多く存在します。
というのも、丸見えを防ごうとして、窓という窓全てにカーテンを付けてしまうからです。
明るさを優先すれば、生活を周囲の人にさらけ出してしまうことになるし・・・
プレイバシーを優先すれば、薄暗い家になってしまうし・・・
実に、多くの家がこの2択のいずれかを選択せざるを得なくなってしまっています。
明るさとプライバシーを両立することができる間取りづくり。これが、本当に暮らしやすい家にするためには欠かせない要素となってきます。
続いて、明るさと同様に、多くの家が実現出来ていないことが、風通しの良さです。
というのも、ほとんどの窓が、カーテンgあ開けられないからです・・・
窓にもいくつか種類があり、その窓の使い分けによってうまく風をコントロールしましょうということを唱える識者がいますが、これも窓が開けられることが大前提のうんちくです。
ご存知の通り、入り口が開けられても出口がふさがっていては、風の通り道が塞がれてしまっているわけですからね。
ですから、そもそも、開けられる窓をつくることが家づくりでは非常に大切なポイントになってきます。
洗濯動線も、矛盾した提案を行なっている住宅会社が数多く存在します。
給湯器の兼ね合いもあって、キッチンと洗面を近くにレイアウトすることがここ最近の間取りの当たり前になっていますが、これだけを実現しても、家事の時短も出来なければ、楽な動線が出来上がるわけではありません。
というのも、洗濯は洗い終わってから後の作業が重労働だからです。
一番大変なのは、水気を含んだ洗濯物の持ち運びです。
それが勝手口から出たところであれば、幾分近くではあるものの、わざわざスリッパに履き替えて何回も出入りしないといけなくなるし、寒い外で何分も作業しなくてはいけなくなります。
また、2階のベランダで洗濯を干すとなれば、一番遠い所まで洗濯物を運搬しないといけなくなってしまいます。そして取り込んでたたんだ洗濯物を、また1階に下ろしてこないといけなくなります。
これが果たして、家事動線に優れた家なのでしょうか?
ですから、洗濯に関しては、一連の作業全てが楽に行えることを前提とした間取りにしなければいけないというわけです。
さらに、多くの方がリビングは広くつくってスッキリとしたお洒落な空間にしたい・・
とお考えになっていると思いますが、これもその気持ちとは裏腹に、多くの家が、入居半年後にはいつも片付かない雑然としたモノだらけの狭苦しいリビングになってしまっています。
というのも、必要な場所に収納が足りていないからです。
リビングに散らかるものは、確実に子供のモノです。
小さいうちは、おもちゃ、絵本、衣類であり、
就学すると、これにランドセル、学校用品、制服などが加わります。
これらが片付けられるところを間違いなく1階につくらないと、あっという間にリビングは散らかり放題になってしまいます。
ただ、収納を多くつくれば、それに連動して面積が増えることになるので、家のコストが上がってしまうことになります。
ですから、コストを上げずに、この散らかりを解決するためにはどうすればいいのか?を間取りづくりでは考える必要があるんですよね。
いかがですか?
今回は、4つのポイントについてお伝えさせていただきましたが、まだまだ他にもあるので、この続きはまた次回お伝えさせていただきたいと思います。
それでは、、、
✔︎廊下の無駄を省く
どんな家にしたいのか?ということをお聞かせいただいたとき、「廊下が絶対に欲しいです」と言った方は、今まで1人もいなかったわけですが、もちろんあなたもそうだと思います。
廊下をつくれば、家の中に温度差が生まれやすくなるし、余分な光熱費がかかりやすくもなります。
また、もちろん廊下にも部屋と同じようにコストがかかっているので、廊下が増えれば増えるほど家の価格は高くなってしまいます。
ですから、廊下を限りなくゼロにすることが、家のコストカットには必要不可欠になってきます。
✔︎部屋数の無駄を省く
家を2階建てありきで考え、個別の部屋は2階だという固定概念に縛られてしまうと、ほとんど使うことがないであろう客間を1階につくってしまいます。
1階の部屋がLDKだけじゃあ使い勝手が悪いし、もしもの時に困ると考えてしまいますからね。
もちろん、貯蓄が得意で自己資金がたくさんあったり、親からの援助が期待出来るなど、予算的に余裕がある方ならば、それはそれで全然構わないのですが、そうでないのであれば、使用頻度が低くなるであろう部屋は、個別でつくらないことも、家のコストカットには欠かせない要素となります。
6帖の部屋を1室カット出来れば、120万円〜150万円ものコストカットになります。
ですから、子供部屋を1階につくり、子供部屋と客間を兼用で使うようにするなど、柔軟な考えを持つようにしていただければと思います。
✔︎部屋の広さの無駄を省く
「寝室は10帖は欲しいです!」とおっしゃる方がいますが、そこに何を置きますか?とお聞きすると、「ダブルベッドしか置きません」という回答が返ってきます。
10帖の部屋は4.42m×3.51mの空間ですが、1.4m×2mのダブルベッドを置いた場合、かなり無駄な余白がたくさん出来てしまいます。
多くの方にとって、寝室はただ寝るだけの部屋ではないでしょうか?
そして、そんな部屋のために、余分なコストを掛けてやる必要はあるのでしょうか?
ダブルベッドしか部屋に置かないのであれば、2.6m×2.6mの4.5帖の部屋や、そこまで縮めなくても6帖もあれば充分なのではないでしょうか?
もし、その余白となる4帖を縮めることが出来れば、それだけで70〜100万円ものコストをカットすることが出来ます。
いかがですか?
家のコストをアップさせずに、本当に住みやすくてカッコイイ家にするためには、現実的に考えると、これら3つの空間に生じるであろう無駄を、最大限にカットしていくことが必要不可欠となります。
コストをアップさせて、広さと住みやすさの両方を妥協しない家にするか?
広さを妥協して、コストと住みやすさを妥協しない家にするか?
住みやすさを妥協して、コストと広さに妥協しない家にするか?(これはありえないですが・・・)
さて、あなたならどれを選びますか?
その1:見えない所への投資をケチらない!
光熱費を削減することが出来る家にするために、絶対に欠かせない断熱性能です。
この性能を数値で表したモノがUA 値ですが、一般的な地域では0.87という数値が出ていれば長期優良住宅の基準はクリアしていることになり、また0.6という数値よりも低い数値となれば、ゼロエネルギー住宅(ZEH)の基準をも満たしていることになります。
そしてこれからの家づくりでは、ゼロエネルギー住宅の基準である0.6をクリアする断熱性能を有した住まいにすることが望ましいとされています。
ですから、まずはこのゼロエネルギー住宅の性能基準を満たした住まいを(最低でも長期優良住宅の性能基準を満たした住まいを)建てることを意識していただければと思います。
決して、初期コストを削減するために、断熱材をケチるようなことはしないこと、また、見えなくなる所にこそしっかりお金を掛けることを意識していただければと思います。
見えなくなる所は、将来リフォームしようと思うと大掛かりな工事となり、初期工事の何倍もお金がかかることになるので本当に大切です。
その2:可能な限り家をコンパクトにする!
システ、優れた断熱性能を有していることを前提として、もう1つ意識していただきたいのは、家を無駄に広くしない!ということです。
単純に面積が広くなれば、それに伴って体積も広くなります。ですから、可能な限り家をコンパクトにすることも意識していただければと思います。
✔︎必要なところは確保しつつ面積をカットする秘訣
そのためには、無駄であると考えられるところをカットすることが必要不可欠な要素となってきます。
例えば、ただ通るだけの廊下・・
廊下をつくればドアを閉めてしまうようになるので、家の中に温度差が生じやすくなります。そしてその結果、トイレ、洗面、お風呂といった水回りが寒くなってしまい健康上も良くないし、それぞれの部屋を個別で冷暖房することになるので、光熱費より嵩みやすくなってしまいます。
また、無駄に部屋を広くつくることも。面積をアップさせる要因となります。
例えば、寝室を10帖つくりたい・・とおっしゃる方がいらっしゃいますが、もし寝室に置くベッドがダブルベッドであれば、6帖もあればベッドをおいても、まだ十分なスペースを確保することが出来ます。
ということは、4帖は、無駄なスペースということになります。
それをカットすることができれば、初期コストとなる建築費を60万円〜80万円カットすることが出来るし、ランニングコストとなる光熱費も、いくらかカット出来ることになります。
廊下も同じです。
廊下を全てカットすることが出来、それが4帖だとしたら同じように60万円〜80万円もの初期コストがカット出来るし、何十年と暮らして行く今後の生活で考えれば、イニシャルコストとなる光熱費は、部屋の広さをカットする以上にカットすることが出来ることになります。
なぜなら、廊下をなくした間取りをつくることができれば、冷暖房の空気を家全体に循環させやすくなり、冷暖房のロスを最大限にカットすることが出来るようになるからです。
ということで、これからの家づくりでは、見えない所にこそしっかりお金を掛けつつ、無駄を削り可能な限りコンパクトにすること、この2つを意識するようにしていただければと思います。
これが、家づくりにかかるイニシャルコストとランニングコストを最大限に抑え、家に対する負担を減らしてより豊かで楽しいライフスタイルを実現出来るようになる最大の秘訣です!
それでは、、、